人を支える ゆとりおじさんになる方法

日本とアメリカの違い(投資編)

現・預金か株・投資信託か

よく言われる日本とアメリカの金融資産の違いに、日本は現金や預金が多くを占め、アメリカは株・投資信託などが多くを占める、というものがあります。
金融庁の平成28年のレポートでもその違いが示されていて、さらに金融資産全体の金額や、21年間の伸び(日本1.5倍アメリカ3.3倍)の格差も見て取れます。

日米家計金融資産の比較(金融庁「平成28事務年度金融レポート」より)

国民性の違い?単に株価上昇率の違い?

金融資産構成の違いを、よく国民性の違い 「日本人は保守的でリスク資産を好まず、アメリカ人はリスクテイクを恐れない」と分析されることもあります。
でも、私は別の見方をしています。ここ30年間でアメリカ株は9倍近くになったけれど、日本株はバブルのピークの1/2強でしかない。構成比も、リスク資産への投資意欲も、その結果でしか無いのではないかと思っています。

日米株価30年

自国の株式への投資

もともと株式や投資信託は自国の市場に投資することが原点になります。何故なら、為替リスクを避けることができるし、言語も含めて銘柄の情報が豊富で入手しやすいし、自国の産業に資金を提供して産業発展に寄与することにもなるからです。
その点米国人は、自国の市場に投資するだけで30年で9倍近くの成果が挙げられたのに対して、日本では全く成果が出ませんでした。 何十年も投資して何の成果もあがらないなら投資そのものに期待しなくなるでしょう。

企業の成長力と資産運用の「夢」

資産運用をする立場で見ると、本来はメリットがある自国市場でも、成果が出ないなら、海外に資金を振り向けるという方法があります。
日本ではリーマンショック(2008年)の少し前から「国際分散投資」(広く世界中の市場に分散して投資をすることでリスク低減をはかる)が謳われ、そういう内容の投資信託が拡大しました。それが結果的には、リスク低減というより、アメリカなど海外市場成長の恩恵を受けることにつながりました。
実際、アップル、アマゾン、フェイスブック、グーグルなど世界中の人々の生活を一変させるような新興企業が次々と生まれるアメリカ市場。企業家の夢と資産運用の夢が噛み合った「夢の市場」と見えます。