プロに運用を任せる?
「投資信託」ってどんなもの?と訪ねられたら、皆さんはどう答えるでしょうか。 大半の方は「株式などへの投資を、自分に代ってプロのファンドマネ ージャーに任せる金融商品」「プロに運用を任せる商品」という イメージをお持ちだと思います。
でも、実を言うとファンドマネージャーの人たちの成果は、投資する側のメリットとしてはかなり限られているのです。
「アクティブファンド」の目標
ファンドマネージャーがより大きな利益をあげようと銘柄を選別する投資信託を「アクティブファンド」と言いますが、アクティブファンドの目標は、多くの場合、市場の指標(東証株価指数TOPIXなど)を上回ること。
そして、実際にどの程度指標を上回ることができるかというと、年間数%も上回れば優秀な運用成果というのが実情なのです。しかもそのファンドが今年優秀だったからといって来年も同じ結果が出せる保証はない。
自分は何を?
投資をする側にとっての利益とは、投資した資金に対してできるだけ利益が出ることで、プロに任せて損になるのは想定外、というのが正直なところでしょう。
全体の株価(株価指数などの指標)が10%値下がりしたときに、その投資信託の値下りが8%に収まったからといって喜ぶ気になれますか?
ということは、投資信託に投資する際、ファンドマネージャーに任せられるのは数%以下の部分で、投資の損益に大きく影響する、全体の株価がどう動くかについては自分で判断しないといけないということです。そしてその予測は逆にプロにも難しいことなのです。
正しい理解が第一歩
「個人の資金を集めて、プロに任せる」と、一見合理的に見える投資信託の仕組みにも、こんな自己矛盾が含まれています。「成功につながる」資産運用には、正しい理解が第一歩です。